【本の感想】桶川ストーカー殺人事件 遺

すごいタイトルだけども。

20代前半に「どうして世の中には悲しい事件がたくさん起きるんだろう。どうすれば解決できるんだろう」とその答えを求めて色々な角度から本を読んで。これは衝撃を受けた中の一冊。

著者の清水記者は、警察の捜査に疑問を持って、被害者の遺書を頼りに、根気強く真相を解明して警察の不祥事やマスコミのいい加減な報道を明らかにしていった。清水記者の人としての在り方にとても感銘を受けたことを覚えてる。

桶川ストーカー殺人事件は、当初、マスコミの過熱報道では「ブランド好きで風俗で働いていた女性がつきまとわれて殺された」という被害者像ができあがっていた。報道が加熱していたから、なんとなく思い出す方もいるかもしれない。でも、それは全部でっち上げだった。

警察の事件前と事件後の対応、マスコミの道徳観の低さ、近所の人たちの中傷、それぞれが偏った見方と判断をしたことで、殺されなくても済んだかもしれない被害者と残されて戦った遺族がどれほどの苦しみを抱えたのか、そして、今も抱え続けているのか計り知れない。。こんなことがあって良いのかとものすごく憤りを感じた。

けれども、それと同時に、自分だって同じように一つの側面だけを見て「そういう人だからそういう目にあっても仕方ない」とか「賠償請求するなんて殺された娘を売り物にしている」なんて、マスコミが報道した通りに思い込んでいたことにも本当に本当に反省した。なんてバカなんだろうって。

私の人生理念の一つが「物事は色々な角度から見て理解する。そうしないと本当の解決策は見えない」なのだけど、この本を読んで深く反省をして作り上げられた思想であることは間違いない。偏った見方で判断することが間違いを生むし、根本的な解決にはならないし、自分が勝手な見方をしてしまうことで深く傷つく人がいるんだもの。

読んで苦しくなる本だったけど、若い時に読んでおいて良かったと思う一冊。

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