小田原〜箱根をめぐる3泊4日の旅。1日目は小田原老舗めぐり〜前編〜

地元でもある小田原と箱根を旅しました。

知人を案内するために考えた「小田原・箱根満喫プラン」1日目は徒歩で小田原老舗めぐり。この旅シリーズで、地元愛を爆発させたいと思います。

小田原駅を東口に出て、まずは、地元民しか知らないであろう東通り商店街にある、大正10年創業の「守谷製パン」へ。

大正10年ですよ。すごい。手に持っているのは、昔から変わらぬ味の「甘食(あましょく)」。UFOみたいな形をしていて、具も何も入っていない、パサついているようで、そうでもない、なんだかクセになる不思議な甘食です。たまごボーロとカステラの間みたいな感じ。

カウンター越しに注文するんだけど、注文を受けるおばちゃんたちも昔のまま。狭い店内だというのに、カウンターも奥の工房もやたらと人数が多くて、人気が衰えていないことがうかがえます。あんぱんやクリームパン、ジャムパンや普通の食パンもありますよ。わたしのオススメは、甘食とクリームパン。駅からすぐだし、ぜひ寄ってほしいです!

住所:神奈川県小田原市栄町2-2-2
電話:0465-24-1147
営業時間:8:00~18:00
定休日:日曜、第1第3月曜

続いて向かったのは「おしゃれ横丁」。

おしゃれなお店は一つもないんだけど(笑)実は、この一角に、北条氏政と弟の氏照のお墓があります。氏政といえば、父は今川氏親、正室は武田信玄の娘という、エリート中のエリート。戦国時代に一斉を風靡した北条家ですが、豊臣秀吉に攻められて落城し、潔く自害した氏政と弟の氏照。静かに手を合わせてきました。

おしゃれ横丁を通り抜けて、ダイヤ街へ。まず、目に飛び込んでくるのは、明治44年創業の魚屋「魚国」。

今でも若いお兄ちゃんがたくさんいて、威勢がよくて、ホッとしました。店先ですごく大きな魚をさばいていたけど、マグロでもないし、ぶりでもないし、あれはなんだったんだろう。

小田原って、以前は駅前に百貨店があったりして活気があったけど、今はそんなお店も全部なくなってしまって。小田原から魚国がなくなるなんて考えられない!どうか、がんばってほしい!(そんな心配は無用かもしれないけど)駅の中にも、魚国経営の食事できるところがいくつかあるみたいだから、今度寄ってみよう。

住所:小田原市栄町2-8-12
電話:0465-24-1188
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜日

そのすぐ向かいにあるのが、昭和22年創業の甘味処「岡西」。

ここはよく買いにきていましたー。あんこがたっぷりのおっきなおはぎ!たれがたっぷりのみたらし!歩きながらぺろっと食べちゃった。甘すぎずおいしいです。ここも早くに売り切れてしまうことがあるから、最初に寄っておくのがオススメです。

住所:神奈川県小田原市栄町2丁目9-15
電話:0465-22-4067
営業時間:
【テイクアウト】10:00~18:00
【喫茶】10:00〜18:00(L.O.17:30)
売り切れ次第終了
定休日:水曜・木曜 (祝日営業)

ダイヤ街から続いて向かったのは、小田原銀座商店街にある「倭紙茶舗 江嶋」。こちらは、なんと江戸時代初期の1661年創業です。約350年・・・!

静岡産のお茶と、和紙や和小物が買えます。この建物は関東大震災後の昭和3年に建てられたそう。そしてなんと!地域開発でマンションが建つことになり、この建物も一時は取り壊しが決まっていたそうです。そんな時に起こったのが、あのリーマンショック。開発の話は白紙に戻り、建物が残ることになったそうです。よかった。

試飲させていただいた掛川の深蒸し茶、トロリとしてとってもおいしかったです。子供の頃から静岡茶に慣れ親しんでいるせいか、やっぱり静岡茶の苦味と渋みが好きなんですよね。玉露の旨味も好きなんだけど。あれこれ買っちゃった。建物も壮観だけど、店内もお店の方もとっても素敵ですよ。ぜひぜひ、行ってみてください。

住所:神奈川県小田原市栄町2-13-7
電話:0465-22-1661
営業時間:09:30〜18:30
定休日:なし

続いて向かったのは、守谷製パンと同じく大正10年から続く老舗「柳家ベーカリー」。またパン屋!という感じだけど、小田原と箱根って、なぜだかわからないけどおいしいパン屋さんがたくさんあるんです。

小田原城を通り越して、御幸の浜通りまで、15分くらい歩きます。ちなみに、このあたり一帯は電信柱も電線もないので景観が良いですよ。先ほどの創業350年の江嶋に引き続き、パン屋とは思えないクラシカルな外観と店内に、城下町の雰囲気を感じられるし、なんだかすっかり旅行気分が高まります。

ここのオススメは、薄皮あんぱん。守谷のあんぱんもずっしりだから、食べ比べても面白いかも。色々な種類のあんぱんがあります。16時が閉店だし、そもそも早い時間に売り切れるから、早めに行くことをおすすめします。店内がパン屋とは思えないくらいクラシカル!

住所:神奈川県小田原市南町1-3-7
電話:0465-22-2342
営業時間:10:00~16:00
定休日:日曜

続いては、こちら。

城じゃないんです。店舗なんです。

わたしもバッグと自宅に必ず常備している「ういろう」。店の名前も「ういろう」。作っているのは外郎(ういろう)家。当主は代々「外郎 藤右衛門」を襲名していて、今はなんと二十五代目・・・!650年・・・!東海道五十三次どころの話ではない。この店構えといい、何もかもがすごすぎる。

ういろうは、本当によく効きます。具合が悪くなったら、私はとりあえずういろうです。とはいえ、子どもの頃から知っていたのに、買うようになったのはここ数年。

なぜなら、親戚が「目の前で人が倒れたのでういろうを飲ませたら、すっかり元気になった」なんて、時代劇のような体験を話してくれたから。見た目や匂いは、仁丹とよく似ています。以前は一見さんお断りだったと聞いていますが、今は誰でも買えます。小田原に行ったら、ぜひ。店構えを見るだけでも価値あり。

住所:神奈川県小田原市本町1-13-17
電話:0465-24-0560
営業時間:
[月~土]
10:00~1730(4月~10月)
10:00~17:00(11月~3月)
[日]
10:00~1700
定休日:水曜、第3木曜、大晦日 、元旦

続いて、こちらは寄らずに前を通っただけですが、済生堂薬局小西本店です。

こちらもなんと、創業400年の老舗薬局です。

ここまでくると、もはやどこもかしこも老舗だらけで、歴史好きは興奮を通り越し、思いを馳せすぎて脳内うっとりです。店内には昔ながらの薬箪笥なども展示されています。400年もの間、人々の健康や病を支えてきたなんて、本当にすごい。ぜひ、脳内タイムトラベルを楽しんでください。普通に漢方薬やお薬も買えますよ。

住所:神奈川県小田原市本町4-2-48
電話:0465-22-2014
営業:8:30~19:00
定休日:日曜・祝日

午前中からゆっくり歩き続けて、そろそろランチの時間です。ランチに選んだのは、明治26年創業の「だるま」。相模湾でとれたお魚を使った料理や天ぷらが食べられます。

創業400年600年クラスが続くと、なんだか明治の響きにさほど古さを感じなくなるから不思議です。建物は圧巻!他の建物と比べると重厚感があります。登録有形文化財。観光名所の一つになっているのかすごい人で、40分ほど並びました。関東大震災で被災して、この建物は大正15年に建て替えたものだそう。

法事などがあると食事はここでした。子どものころは、建物が古くて怖いし、天ぷらとかお寿司とか、嫌だったんですけど。

大人になった今は、舟盛りやらキンメの煮付けやら盛大に注文して、日本酒で昼呑み開始。最高ー!この後、天丼も。どれもこれも絶品でした。小田原はやっぱりおいしい!ちょっと並ぶけど、ぜひ。

住所:神奈川県小田原市本町2-1-30
電話:050-5590-0692
営業:11:00~20:00
一階食堂20:00L.O(中休なし)
階上座敷19:00最終入店
定休日:お正月元日~1月3日のみお休み

続いて向かったのは、本命小田原城。長くなったので、次のページの後編で↓↓↓

小田原〜箱根をめぐる3泊4日の旅。1日目は小田原老舗めぐり〜後編〜

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