天命

今日はお二人の塾生が天命を知るところまで来た。お二人ともずいぶん若い時に大切な人を亡くした経験がある。

天命は、過去の出来事一つ一つを時系列にし、その出来事全てが一本の線でつながった時に見えてくる。そう書くと簡単な話に聞こえるけれど、いきなり時系列に書いたところで一本の線にはつながらない。わだかまりになっている過去を清算して感謝に変え、謙虚さを身につけ、一つ一つの出来事の意味や根拠を明らかにする作業が必要不可欠なのだ。

苦しく辛い経験をしてきた方ほど、この作業が大変。私たちは「見たいことしか見ない。見たくないことは永遠に見ない」という脳の素晴らしい機能のおかげで、どんなに辛いことがあってもまた明るく生きられるわけだけれど、その機能を一時停止して、思い出したくないことほど、腹の底にある真っ黒い塊から無理矢理にでも引っ張り出して思い出さなくてはならないし、死ぬほど憎い相手のことも正面から見つめ直さなければならない。

涙することも、怒ることもある。忍耐が試され、何度も諦めそうになっては決意を重ねる。それを乗り越えた先に、知識で知ってはいても体験したことがなかった、愛に溢れる世界がある。我慢も犠牲もない心からの愛に生きることができるのだ。そうなって初めて、おぼろげだった天命が、色を帯び、鮮明な一枚の絵になる。

苦しく辛い経験をした方ほど、為さねばならぬことがあるように私は思う。それを思い出すのか、思い出さないのか、為すのか、為さないのか、私たちは自分自身の意思で自由に決められる。

明日、死ぬかもしれない。100歳まで生きるかもしれない。

さて、あなたはどうする?どんな人生を生きよう!

 

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