自己満足に酔いしれているのは変わらないけど、過去は不幸で、今は幸せになったわけ

「全部、自己満足のためだよね」

女同士で話していると、こういう結論に行き着くことが時々ある。
メイクも、ファッションも、仕事も、恋も、つくづく、女は自己満足の生き物だと思う。
脳科学的にもそうらしい。

男性が、大変だと言いながらも、忙しく仕事をしている自分に実は酔っているってこと、たまにあるけどあれと似ている。
少し違うのは、男性はいつだって大切な人たちのヒーローでいられたら、それでいいということ。

ヒーローの自分に酔う男に対して、女は、すべてにおいて、酔っていたい。
自分に。恋に。生活に。

かくいうわたしも、酔いに酔っていた。

気の利いたことが言える私って、
指先から足の先まで気を配っているわたしって、
仕事ができるわたしって、
センスの良いインテリアや器に囲まれたわたしって、
いい男に愛されるわたしって、
嫉妬されるわたしって、
素敵。

今、思い返すと笑えてくるけど、自分に、恋に、生活に、すべての自己満足に、酔いしれていた。
そして、その先や周りには、その他大勢の女性たちがみなライバルとして控えていた。
顔の見えない女たちと比べて、わたしは劣っていない、絶対に負けない、それが原動力だった。

けれども、実のところは、全くといって良いほど幸せではなかった。
焦りや虚しさ、家で一人になった時の疲労感は、増える一方。
休みも取らず、毎日10時間以上働いているのに、着飾るために、素敵に暮らすために、何かを埋めるように、お金がどんどん飛んでいく。
何かがおかしいと思いながら、何がおかしいのかわからない。一度、走り出してしまったら、自分では止められないし、止め方もわからない。

そして、ある時、わたしはぷつっと糸が切れて、強制終了してしまった。
薄々、勘づいていた「本当のこと」を正面から受け止めてしまったから。

実力があるわけでもなければ、たいした努力もしていない。
その場を取りつくろうことや、人を気分良くさせるのが、ほんの少しうまいだけ。
積み上げているように見えていたものは、中身が空っぽの虚構だったってことを。

そして、がむしゃらに前に進むことができなくなってしまった。
心も体も限界になると同時に、生きる意味でもあった「他人より秀でること」という自己満足は、何もかも意味がなくなってしまったから。
自分に自信がなくて、自分の生き方に誇りを持てなくて、だから一生懸命、外側を塗り固めていただけ。
自分を取り繕うために、この先も死ぬまで走り続けていくなんて、もうわたしにはできなかった。

それからは、生活できる程度に仕事を続けて、自分の生き方を模索し続けた。
自分を満たしていた(と思っていた)買い物も美食も美しくあることも、自分を酔わせていたすべての自己満足が、自信のなさやコンプレックスや、満たされない心を埋めているだけだったと知ってしまった。
それなのに、本当に心が喜ぶことや、働く意味、もっというと生きる意味みたいなものは、さっぱりわからないでいた。
なんとか抜け出したいと、もがき苦しんでいるうちに、気づくと3年も経ってしまった。

ところが、急に転機が訪れた。
それまで出会ったことがないような人と、出会うようになったのだ。

その人たちは、素敵な仲間と、目の前の人の笑顔があれば幸せで、それ以外のもので自分を埋める必要がないようだった。
さらには、「困っている人をほっておけない。この状況を見ぬふりはでいない」そういう純粋な思いと行動力が、社会を動かすほどの大きな影響力になっていて、信じられないほどの資金を動かしていた。
にも関わらず、みな質素で、自分にはほとんどお金をかけていないようだったし、あまり興味もないようだった。
高価なものなんて一切身につけていないのに、気品に満ちていることも驚きだった。
笑顔が素敵で、わたしは本当に眩しかった。
他人を笑顔にするために生きている人たちだった。

最初は、そんなきれいごとがあるわけないと思ったし、最後の最後までわたしは疑った。
人のためなんて、外側に見せている姿であって、本音と使い分けているはずだと。
けれども、疑えば疑うほど混乱した。
裏も表も、外も内もない、見えていることが全てだったから。

その時わたしは、やっと次の世界へいける扉を見つけて、まるで冒険にいくようなワクワクと、扉を開けた隙間からまばゆい光が差し込んできたような、なんとも言えない喜びがむくむくと湧いてきた。
それと同時に、それまで受けたことのない衝撃を受けた。

「何もかもうまくいかなかったのは、自分のために生きていたからだったんだ」と、わかったから。

この時から、また5年が経った。
驚くことに、わたしの自己満足は「目の前の人が心から笑ってくれること」という、とてつもないきれいごとになっている。
そのために、どんなに苦しくても成長したいし、どれだけ労力を注いでも苦にならない。悪者にもなれる。
こんなきれいごとを言う人間になるとは、思いもよらなかったけれど、一人でも多くの人に心から笑ってもらえるよう、この自己満足にますます突き進んでいこうと思っている。

あの頃、虚構ではあったけれど、自己満足にとことん酔いしれて、人生を立ち止まって、本当に良かった。
そうでなければ、こんな毎日が訪れるはずがなかったから。

心から笑えるようになったのも、夢を見つけられたのも、一つずつ叶えていけるのも、手を差し伸べてくれる人や、心の支えになってくれる人が、いてくれたおかげ。
わたしも、苦しみもがいている人に手を差し伸べて、少しでも心の支えになれたらと思う。

今もわたしは、自分に、仕事に、恋に、自己満足に、日々酔いしれている。
欲しくてたまらなかった、心が満たされた日々にも。

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